ニューヨーク便り――その2(2003.12.19)

コロンビア大大学院その後


 ニューヨークでは、クリスマス・シーズンを素敵に彩るポインセチアが見られるようになりました。皆様すっかりご無沙汰しておりますが、如何お過ごしでしょうか。

 それにしても、時が経つのは早いものですね。数週前、恒例の感謝祭パレードが行われたと思ったら、今度はロックフェラー・センターでクリスマスツリーの点灯式が行われました。雪も降り始め、だいぶ寒くなりましたが、この時期のニューヨークはイルミネーションが綺麗なので観光を考えている方にはお勧めです。

 さて、本日は前回の続きということで、米国の大学院入学後の体験談をご紹介したいと思います。

 当時、私は国際協力の分野に興味を持っていたので、コロンビア大学教育学部のインターナショナル&トランス・カルチュラル・スタディーズという学部に願書を送りました。この学部には国際開発教育という学科がある上、キャンパスが市内にあるということから、入学が決まった時点で私は、質の高い授業を期待し、学校が始まるのを楽しみにしていました。また、運が悪いので見ることさえできませんでしたが、運がよければ宇田ヒカルともお友達になれるかも…等と期待したりもしていました。

  米国の新学期は9月からです。9月中旬迄はオリエンテーションや授業登録に追われていました。オリエンテーションに参加する義務はありませんが、この時期は同級生と知り合い情報交換ができる絶好のチャンスなので、参加することをお勧めします。肝心の授業なのですが、まずは「経済と教育」や「歴史と教育」等あらゆる観点から教育について考える必修科目を受講しました。必修科目は、教育に対する視野が広がるので大変面白かったのですが、専門分野を決める段階に入った時には色々と悩んでしまいました。

 この学科には、バイリンガル教育、平和教育、識字・テクノロジー教育、財政学、家庭・地域社会教育等があります。国際協力に興味がある学生はたいてい平和教育を専攻するので、授業見学をしたところ、クラスには先月まで青年海外協力隊で働いていたというマッチョ体型の女性や、普段は「ウーマンズ・ライツ!」と叫び、過激な女性運動をしているという学生が集まっていました。 最初は、紛争解決について語る教員や学生を見て、その熱心さに感激していたのですが、授業で、インドに住む農民の格好をしてクラスメートと劇をするようになった頃から、私は同級生の迫力に圧倒されはじめ、専門分野の変更を考えるようになりました。ところが、他の専門分野といっても、分野によっては途中から担当教官を変更するのが難しかったりするので、結局私は開発学を学ぶことはなく、学部時代と同じ分野(バイリンガル教育)に進むことになりました。

 ここで初めて、学校の状況を事前に知っておく重要性に気づきました。何故ならば、当時バイリンガル教育学科は財政難の為か、教員数が少ない上、広く浅く学ぶことしかできないということが徐所に分かったのです。実は、同級生にも私と全く同じ体験をし、専門分野の浅さや授業内容に納得いかない方が数多くいたので、お互い相談し合うことができたのですが、良い大学の場合でも学校案内の情報が、実際の状況とは異なっていることがあるので、アドバイスとしては学校入学時は学部名のみで決定してしまうことなく、できるだけ事前に卒業生や学生協会員の生の声を聞くことです。

 ニューヨークの場合、日系コミュニティーのHPも多く、役立つので是非参考にして下さい。リンクを幾つかご紹介致します。

それでは良いお年をお迎え下さい。

J-Net NY >> http://www.j-netusa.com/ny/index.html

びびなびNY>> http://newyork.vivinavi.com/JA/ib/ib_main.phtml?ib_page=5&ib_kind=6

MJ Board>> http://www.mediajapan.com Add & NY http://www.add7.net/

Enjoy New York!>>http://www.enjoyny.info/

榊原佳苗(さかきばらかなえ)