私は、山に囲まれた順天市にある順天高校に勤務しています。順天高校は全羅南道で もっとも優秀だと言われている男子高校です。男子高校で勤務するなんて、あまりで きない経験です。勤務初日は、非常に多くの男子高校生が私を見にごそごそと職員室 の周りをウロウロしたりしていました。とても恥ずかったですが、悪い気はしません でした。とういよりとても嬉しかったです。貴重な体験です。

私の住み家はすでに用意されていると聞いていたのですが、色々とあって家がなく、 しばらく韓国人の日本語の先生の家でお世話になっていました。自分の電話や携帯電 話もないという状態でした。韓国人の先生と家を探しましたが、住めそうだと思う家 に限って、教育庁からの条件とあわず、いろいろ大変でした。せっかく探してもらっ た家に「ここには住めません」と言うのはなかなか辛いものがありましたが、できる だけ長い間働きたいので、家だけはなんとか安心できる所でなければ、、と思い、頑 張りました。ようやく先週末に引越しを終えて、昨晩には電話も設置しました。

学校の授業は一週間に、高校生対象の授業が五時間、順天市の高校の先生を対象とし たワークショップが9時間です。高校生はまだ日本語の勉強をし始めたばかりの初級 レベルですが、高校の先生たちは中級の上から上級レベルです。日本から、上級レベ ル対象の教材をもってこなかったので、今授業の準備が大変です。高校生のクラスは 一クラス38人ぐらいで、大人数です。生徒たちは非常に優秀で、頭はスポンジのよ うです。教えたことはすべて吸収してしまいます。高校で使っている教科書は思って よりもコミュニカティブで、なかなかいい教材です。私にとって、高校生たちの授業 が一番楽しいし、どんなストレスも、大きい声をだいして教えていると、吹っ飛んで しまいます。ですが、高校の先生のためのワークショップは毎回、授業のプランをた てるのに頭がいたいです。でも修論を書いている時よりは楽しいので、大丈夫でしょう。

韓国人の先生とのコミュニケーションは一番神経を使います。うまく意思疎通ができ ているようで、とれていないし、勘違いしてしまっていることが多いです。多分、毎 日テープレコーダーで会話を録音していたら、きっといいデータがとれるはすでしょう。 ですが、そんなことは今は忙しくてできません。

それから、もっと興味深いのは、私の行動です。韓国語がまったく分からないのに、 韓国人は私に対して韓国語で話してきます。この間は順天市が指定するビニール袋を 1人で買いに行ったのですが、なんとビニール袋を購入するだけで20分もかかって しまいました。絵をかいたり、周りのものを使って説明したりしましたが、なかなか 分かってもらえなくて大変でした。こんな私に20分もつきあってくれた韓国の店員 の方は凄いと思います。韓国に来て、日本に居る外国人の気持ちがすこし分かった ような気がします。

このような感じでなんとか頑張っています。 また時間がある時に、韓国通信をお送りします。 では今日はこの辺で、失礼します。

山本容子より