長春通信その2(2004.3.20)

日本人らしさ?

 ようやく寒気が和らいできました。一時は最低気温がマイナス28度だった長春も、氷がとけました。 もう外に出ても耳が痛くないです。しかし、「やれやれ、よかったよかった」と思った矢先に、 今度は黄砂です。モンゴル(内モンゴル?)から砂のお届け物というわけですが、 ご丁寧に耳の中まで届けてくれます。あなどりがたし、中国。

 先日、休みを利用して北京に行ってきました。 故宮、長城、天壇公園など、ガイドブックおすすめの観光スポットを堪能しました。 しかし観光もさることながら、買い物もまた旅の醍醐味です。 そんなわけで、紅橋市場なるマーケットに繰り出したのでございます。 ここはさまざまな物品を扱っていますが、 特に(ブランド物、のような)時計や、バッグ、財布などの品揃えに圧倒されます。 このような場では、売り手と書いてとの間で熱い値段交渉が展開されるわけです。 私も「やってみよう!」と意気込んで売り場に向かいました。 ところが、私が彼らの前に立つと「あんた日本人でしょ?」と先制攻撃。 ・・・まだ一言も中国語使っていないのに。

 “日本人は金持ち”というステレオタイプは根強いようで、 この時点で交渉のアドバンテッジはあちらのものに。 私は売り子さんと同じく、人民元で給料をもらっているんですけどね〜。
スタートでコケると、もうどうにも止まらない。 幸い押しの強い友人がたくさんいたので、彼らにバトンタッチ。 私は彼らの肩越しに熾烈な戦いを観戦し、無責任に応援をしていました。 「私のために、頑張って値切ってちょうだい!」と。

 しかし、何が彼らをして私を「日本人」と見抜かせたのでしょう? この種の経験は、実はとても多いのです。この間もレストランで食事をしていると、 服務員さんがやってきて、「日本人でしょ?」などと微笑まれてしまいました。なぜに?
その一方で、日本語教師をしている友人・知人の多くは「日本人らしくない」 という評価を受けているようです。 「日本人らしい」という評価を受ける人は、あまりいなかったように記憶しています。 いかがなものでしょうか?

 はたして、“日本語教師=日本人らしくない人”なのでしょうか?であるならば、 私が半人前であること(本当は3%ぐらいの駆け出しですが)を証拠立てていることになりますね。 それとも私が「日本語教師らしくない」のかな。 ま、古典文法を教えている時点で異色ではありますが。はっはっは。

 「日本人らしさ」って何なんでしょう? 個々人が持つ日本人のイメージには、ある程度共通した箇所がある・・・? 本来、1億3千万の日本人を一つに括ることなどできないでしょうに。 このイメージも所変われば、あるいは国(民族)が変われば、また変わるのでしょうか? つかみ所が無いにもかかわらず、行動に影響を与えるだけに関心はつきません。 「中国人らしさ」もまたあるんでしょうね、おそらく。こちらは10億人を超えますが。

 何はともあれ、彼らの持つ「日本人らしさ」のよい部分と私が合致していればいいのですが (外見だけであれば、良いも悪いもありませんけど)。それでは、また。